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黒澤と三船

黒沢映画の続き。95歳の父親と毎週ウイークエンドは黒沢+三船の黄金時代のDVDを観ている。
子供の頃に、黒沢ファンであった両親に連れられて映画館で見た映画を半世紀経って再び家族で見ている。
「天国と地獄」「酔いどれ天使」「用心棒」「椿三十郎」いずれも三船敏郎が最も魅力的で黒沢が乗りに乗っていた頃の映画ばかりだ。
「世界のミフネ」はここから生まれた。とにかくカッコいい!
先の「隠し砦の3悪人」を筆頭に、ミフネの三十郎のカッコ良さは世界中にその名を轟かせた。こんなにカッコいい日本男性は他にはいないのではないか。高倉の健さんや渡辺の謙さんなんて、足下にも及ばない。
ミフネだけではない。志村喬や山崎勉、木村功、仲代達矢、藤原鎌足、千秋実。いずれ劣らぬ個性的な役者が、毎回強欲な悪人になったり、刑事になったり、貧しい農民になったり、侍になったり役をガラリと変えて出てきては、素晴らしい演技を披露する。まるで本当にそんな人物が存在したかのように。ミフネだって、ある時は勇猛果敢な侍大将、ある時は貧しい百姓上がりの荒くれ者、盗賊、刑事、肺病持ちのヤクザ、素浪人、会社社長、町医者とさまざまな役柄を見事に演じ分けてゆくのである。毎週、2時間あっという間に見終わって、同じ姿勢で息もつかさず見ていた自分たちに驚き満足するのだ。名作は充実した豊かな時間を味わわせてくれる。



by aoyukibon | 2017-12-27 23:52 | 映画あれこれ

つれづれなるまま。ちょっと気になる風景


by aoyukibon